タスク管理やGTDなど、時間やTODOの管理は一般的になってきましたが、自分がどの活動にどれくらい時間をかけているのかを正確に把握している方は少ないのではないでしょうか?
私(@archikata)は、フリーランスや複業を実践してきたこともあり、自分がどの活動に時間を使っているのかをきちんと追跡し、自分の活動の見直しはもちろん、給料や報酬の交渉にも活用してきました。
毎年年始めに1年の「時間家計簿」と今年の「時間予算」を定めているのですが、自身の振り返りも兼ねてこの「時間家計簿」の内訳を公開します。
2018年の全時間の使い方を公開します
僕は、Googleカレンダーに毎日の活動時間を記録していて、1ヶ月毎に集計をしています。
24時間を10つカテゴリのいずれかに振り分け、カテゴリ毎にどのくらいの時間を投入しているのかを計測しています。GoogleカレンダーとGTIME reportで全時間を記録しています。いわば「時間家計簿」ですね。
経営者になってからは、会社運営と事業にどのくらいコミットするべきか、特定のクライアントの対応に偏っていないかなど、感覚ではなく、実際の数字で時間の使い方を把握し、改善に役立てるようになりました。
自分の投入時間が下がっても成果は下がっていないのか、成果が上がっているのかを定期的にモニタリングするようにしています。
昨年、2018年の内訳はこんな感じでした。
時間用途 | 月間時間数 | 年間時間数 | 年初目標時間 |
---|---|---|---|
会社運営 | 111.0時間 | 1331.5時間 | 780.0時間 |
事業A | 23.4時間 | 280.5時間 | 720.0時間 |
事業B | 74.2時間 | 890.5時間 | 660.0時間 |
自己投資 | 31.3時間 | 376.0時間 | 600.0時間 |
家事雑務移動 | 86.9時間 | 1042.5時間 | 960.0時間 |
交流 | 75.3時間 | 903.3時間 | 960.0時間 |
余暇休暇 | 34.0時間 | 408.0時間 | 480.0時間 |
個人事業 | 6.8時間 | 81.0時間 | 240.0時間 |
GTD | 20.8時間 | 249.5時間 | 240.0時間 |
時間浪費 | 40.1時間 | 481.7時間 | 300.0時間 |
睡眠時間 | 224.0時間 | 2688.5時間 | 2760.0時間 |
合計 | 727.7時間 | 8733.0時間 | 8760.0時間 |
会社運営
経営者をやっているので、自分の会社の会社運営(財務・経理・マーケティング・人事・教育)や、スタッフの相談時間もここに含まれています。
まとまった時間コミットしてもらえるメンバーが増えたことでケアする時間が増えたこと、書籍「できるところからスタートする コンテンツマーケティングの手法88 (できスタ)」の執筆が急遽決まったことで、このカテゴリに含まれる時間が大幅に増加しました。
会社運営は効率化のため、10月から業務マニュアルを社内みんなでつくっています。
できるところからスタートする コンテンツマーケティングの手法88 (できスタ)
- 作者: 敷田憲司,岡崎良徳,岸智志,納見健悟
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2018/11/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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事業A(人材紹介)
いわゆる転職エージェント的な業務に使っている時間です。中途採用の紹介先や働き手の申込みがほぼウェブ経由で完結できるようになったので、営業の工数が劇的に減りました。
また、中盤から採用したスタッフがサポートに貼ってくれるようになり、アポイントの調整がスムーズに進むようになりました。
2019年の後半あたりで、おそらく転職市場は縮小するだろうとみているので、今年は事業のあり方をカスタマイズする必要があるかなと思っています。
事業B(経営・マーケティングのコンサルタント)
建築や不動産業界の企業を対象とした経営やマーケティングのコンサルに使っている時間です。企業の課題をヒアリングして、マーケティングや会社運営の改善プログラムを立案して、成長の糸口を創る仕事です。
今年はスタッフもクライアントごとにアサインしてもらう形式に変わっていき、自分が係わる時間を減らすことができるようになりました。
また、オンラインMTGやslackでの打合せを増やし、本質的な価値は変わらないまま、移動や準備などの工数を減らすことができて、効率化できた1年だったなと感じます。
個別の時間の使い方を確認してみると、現在の体制に変わる前に受託していた業務に時間を取られており、継続的な契約に関してはきちんと見直しを図らないと、当時は良いと思っていた条件でも、今は実態にそぐわないことも起こりうると感じました。
自己投資
経営やマーケティングに関する情報収集、読書や語学などの自己投資の時間です。生活を豊かにするためのスキルアップや健康に関する投資も自己投資に含んでいます。
料理や週1~2回の運動、ジムでの交互浴(熱波イベント)、会社の近くの整骨院や鍼灸院に通う時間などもこの時間に含んでいます。
実際は書籍の執筆などもあったのでインプットの時間も多かったはずなのですが、自己投資の時間が少なすぎるので、改善を図りたいです。
家事・雑務・移動
家事や身支度や買い物などの雑務や、1人で取る食事や移動など、事務的で生産的な時間をここに含んでいます。移動中に語学やマーケティングなどの勉強をしている場合は、自己投資に振り替えています。
漫然と電車の中で生産性のない時間をすごしたり、通勤で身動きができないような時間を過ごした場合だけがここに含まれています。
2月に実施した引越&家探しに大きく時間がとられたため、想定よりオーバーしてしまいました。引越は、本当につらかった。
交流
パートナーや家族、スタッフとのコミュニケーションの時間や業務上の明確な接待以外のコミュニケーションの時間です。この時間計測をはじめてから、なるべく1人でごはんをたべずにコミュニケーションに使うようになりました。
余暇休暇
休憩・休暇に使っている時間です。「今日はマンガを読む日」と目的を決めて読んでいる場合はここに含みます。予定してないのにダラダラしてしまった場合は、時間浪費に計上しています。
2018年は意図的に休暇&ビジネストリップを組み込んだので、名古屋・京都・伊豆・熱海・伊東・香港・シンガポール・韓国など、訪問することができました。
2019年は、1日4時間程度を旅程に組み込んだ、ワーケーションを実践してみたいです。
個人事業
スクールなどの講師を務めたり、ブログの原稿を書いたり、SNSで発信するなど、会社に関係のないけど何かにつながりそうな活動はここに含まれます。
しばらく、twitterやブログをサボっていたのですが、書籍「できるところからスタートする コンテンツマーケティングの手法88 (できスタ)」の発刊もあったので、ちょうどいい機会かなと感じ、対外的な発信を再開することにしました。
2019年も、本を執筆したり、このブログの記事を書いたりするなどして、経営者だけど複業できる状態にしたいなと思っています。
GTD
毎日の時間を計測したり、次の日の準備をしたり、数週間先や月~年単位の目標を立てるのに使っている時間です。
今年は、コーチングを受講したり、中村勇気さんが主催する合宿形式の「solos」に参加してみたり、長期的な目標設定を意識することができた1年でした。
コーチングを通じて、「最高価値」という概念をつかむことができたので、時間の使い方も大きく変わった1年でした。
時間浪費
目的なくダラダラとネットサーフをしていたり、アニメを見続けたり、朝布団から出れずに時間を過ごすなど、目的を持たずに時間を浪費した時間です。振り返っても時間の使い方がわからない使途不明の時間もここに含みます。
疲労が蓄積すると動けなくなり、時間浪費につながるので、意図的にリフレッシュする時間を取るようにこころがけていました。
睡眠時間
通常の睡眠時間と二度寝や午睡の時間を含んでいます。平均睡眠時間は7時間で、睡眠は決して短くはありません。
年齢の立場が変わっていくにつれ、冴えた頭で決断する時間をいかにつくるかという方向に比重がシフトし、睡眠時間はしっかりと取るようになりました。
2018年でやったこと・やめたこと
2018年に行った生産性を増やすために行った取組みを紹介します。
1,「とりあえずビール」をやめた
お酒を飲むという行為を見直して、必要性のない飲酒を避けるようになりました。
会食は頻繁にあり、おそらく一般的にみて数多く参加していると思うのですが、会食の必要性と飲酒の必要性を切り分けて考えるようになりました。
飲酒の弊害は大きく
- 飲酒してから寝るまでの時間が有効に活用できなくなる
- 睡眠が浅くなり、疲れが残りがち
- 翌日の朝をベストパフォーマンスでむかえることができない
生産性を考えると何もいいことがありませんので、バッサリ習慣から削除しました。
2,採用スタンスの見直し
社員数人のベンチャーということで、採用スタンスを明確にするようになりました。
「採用したい人」よりも、「採用してはいけない人」をフィルタリングするように会社のカルチャーを明確に伝えることにしました。
簡単に言えば、「大きな会社のような、杓子定規な正しさ」を放棄するということです。
たとえば、「意気込みは高いけど、アウトプットの質がイマイチな子」と「やる気が外に出ないけど、アウトプットはしっかりしている子」の2人がいた場合、明確に後者を評価することを価値観として明記するようになりました。
コンサルや課題解決が主体な会社なので、「付加価値」より「どれだけ頑張ったか」を評価してほしい子だと、会社に取っても本人にとっても幸せにはなり得ません。
自分たちの会社にも特色というものがあり、成果をあげうる人物像を明確にしておく時期になったということなんでしょう。
3,ぜんいんリモートワーク導入とフレキシブルな出勤へ
Googleカレンダー、slack、meet(Googleハングアウトの法人版)Googleスライドやスプレッドシートベースでの資料作成など、オンラインでコミュニケーションできるツールを導入し、業務プロセスを見直しました。
特にslackを使うと、1on1のやりとりもある程度可視化されるので、ゆるやかに誰がどんなことをやっているのか把握できるようになり、情報共有コストが少なくなる効果も得られました。
4,午前中の社外MTGの撤廃
午前中は集中力が高く、パフォーマンスも発揮できる時間なので、特に社外の打合せを会社としてお断りすることにしました。執筆の時間を午前中に確保し、会社やビジネスとして大切なことを言語化する時間に充てるようになりました。
長期的には午前中のMTGの時間帯の単価をあげるなど、契約に明記するような形に変わっていくかもしれません。
5,オンラインMTGとslackの導入
社内は元々オンラインMTG主体で動いていたのですが、クライアントとの打合せもオンラインMTGを行うようになりました。オンラインは開始直後は、まごつくシーンもある反面、時間が来たらスパッと中断できるので、MTGの間隔を詰めやすいメリットもあります。
往復の移動時間のロスも考えると、オンラインMTGの方が便益が大きいので、積極的に持ちかけるようになりました。また、メールは誤送信や誰をCCに入れるか問題があるので、slackなどのビジネスチャットに移行することになりました。
6,スクラム&プロダクトオーナー制の採用
年齢や経験に関係なく、裁量権を与えて活躍できるようにするために、「実行」と「マネジメント」の部分を分離して、立場や年齢に関係なくプロダクトオーナーに指名して任せるようにしました。
完全にスクラムの概念を導入できているわけではないのですが、プロジェクトの実行とプロジェクト全体の把握・マネジメントを分離したことで、メンバーそれぞれがプロジェクトを持つことができるようになり、主体的に係わってもらえるようになりました。
フリーランチの場合、運営しているメディアや業務マニュアルの作成プロジェクトでは、学生サポートスタッフがプロダクトオーナーを担当してプロジェクトを回しています。
スクラムについては、下記の本を参考にしました。
- 作者: 西村直人,永瀬美穂,吉羽龍太郎
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カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
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元旦に振り返る時間家計簿
時間の計測を開始して、記録しているファイルを見ると、45ヶ月が経過していました。最初は面倒だった計測も、もう習慣として機能しているので、気にせず集計できるようになってきました。
公開しているのは大枠だけですが、個別の項目の中での無駄な時間や投入が足りなかった時間もレビューしています。
このように年初に前年の「時間家計簿」の振り返りをしつつ、2019年の「時間予算」も立てます。長くなりましたので、いったんこのあたりでしめたいと思います。
みなさんの時間家計簿は、どのような感じでしょうか?
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