経営・マーケティングコンサルタントの仕事術

経営・マーケティングコンサルタントによるブログです。採用や働き方、リモートワーク、ウェブマーケティング、経営改善などのノウハウや論点をわかりやすく紹介します。

2社で働く「複業」を5年間続けて感じた5つのポイント

こんにちは、あるきかた( @archikata )です。

私は5年間、複業という形で2つの会社で働いていました。

2つの会社の名刺を持ち、それぞれの会社に作業場所があり、2社を行き来する毎日を送ってきました。1つの会社ではマーケティング担当として、もう1つの会社では経営者として仕事をしています。

この記事では、この「複業」という新しい働き方で苦労したことや、やってみないとわからなかったことを5つのポイントにまとめています。 

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2社で複業しながら感じた5つのこと

1,成果を最大化するために、働く時間はまだらになる

2社で働くといっても、月・水・金はA社、火・木はB社みたいな働き方にはなりません。

曜日ごとに何かをするというのは時間給の働き方であり、最終的に労働集約型の働き方に行きついてしまいます。時間という投入資源で制約がある複業社員は、このような働き方では成果があげにくくなります。

5年間続けてきて、最終的には1日の中で2社の仕事を職場にかかわらず、優先順位の高い順から手をつけていくという働き方にいきつきました。

以前の記事で時間家計簿を公開したように、いつどのくらいの時間、どちらの会社に対して時間を費やしているのかを管理していました。

2,長くコミットするほど、満足度が下がっていく

成果で働いていると成果が出る部分と出にくい部分がわかってきます。投入する時間が限られているこの働き方では、人海戦術的な効率の悪い作業から離れる必要があります。

長い時間コミットしていくと自分に対する支払額は短期的に上がる反面、時間当たりの成果が下がるため、満足度が下がる傾向があります。社員として働く時よりもやるべきことと、やるべきでないことを切り分ける必要があります。

3,最大の報酬はお金よりも、自由と裁量

時間と場所の制約がこの働き方のボトルネックです。いつどこで働くかを決める権限と決済までの時間を短縮できないと、成果がまったく出せなくなります。

社員にならないかというオファーをいただいたり、1日オフィスにいると10万もらえる(いわゆる人日10万)というオファーをもらったりしていたのですが、オフィスに1日8時間いることで、他の仕事が回らなくなるデメリットのほうが大きいと感じて断っていました。 

4,コミットメント期間は定めたほうがいい

このような働き方は特殊なものなので、終わりがくることを想定しておいたほうがお互いにとってメリットが大きいと感じました。

コミットメント期間(1~3年)と目標を定めて、どのような成果をあげるのかを双方で丁寧に合意する形がよいのではないでしょうか。コミットメント期間中に次のコミットメント目標が見いだせた時には、新しいコミットメント内容で契約を更新するという形です。

この場合のコミットメント目標というのは「請負」的なものとはニュアンスが異なります。

どちらかというと正しい成果主義・成果報酬のあり方に近く、どのように成果を規定し、達成度をどのように測るのか、成果の障害となり得るものをどのように排除するのかが鍵となるように感じました。

このコミットメント期間という考え方は、

ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用という本に詳しく書かれています。糸井事務所の篠田真貴子さんが監訳されていて、企業と個人(フリーランス的)のあり方の1つのモデルとして、大いに参考になりました。

 

ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

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  • 作者: リード・ホフマン;ベン・カスノーカ;クリス・イェ,篠田真貴子;倉田幸信
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  • 発売日: 2015/07/10
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5,1人だけ「リモート」が成り立つ環境構築ができるかが成功のカギ

自社システムでリモートワークができる環境にあるなら幸せですが、そうした環境にないケースでは、自力で環境を構築する必要があります。

Gmail(+INBOX)やslack、Dropboxやevernote、Googleカレンダー、ハングアウトやSkypeなどのオンラインサービスの恩恵を最大限活用し、SIMカードが刺さるデバイスを持ち歩くことで、場所に依存しない働き方をつくりだすことです。

実際に私の仕事は、これらのサービスに支えられ、いつでもどこにいても働ける環境を構築することで成り立っていました。

「複業」のノウハウを育てていかないと、本当の意味では新しい働き方にはなれない

「複業」という、新しい働き方を5年間実践してきて感じるのは、一般的な企業やその役員はこのような働き方を想像できないということです。

会社と個人にとって最適解を模索するのに非常に苦労しました。

自分以外にも実際にこのような働き方の相談に乗ったり、ポジションを作ったりすることもあるのですが、やはり働き方の考え方を見直さないと新しい働き方に適応するのに苦労しています。

大切なのは「複業」のノウハウを大切に育てていくことです。このブログでも、これからも「2社で働く」「複業」というテーマで記事を書いていこうと思います。

似たような経験がある方や、この働き方の疑問点があれば、ぜひコメントで教えてください。参考にさせていただき、追加で記事を書こうと思っています。